2014年04月21日

医療機関の長の交代に伴う契約の変更(その2)

質問番号:2004-05 医療機関の長の交代に伴う契約の変更(その2)

最近院長が代わりました。

それで変更契約書ですが、様式の始めの部分にある、「○○病院 院長 (以下「甲」という。)と (以下「乙」という。)との間において、平成年 月 日付けで締結した」では、一番始めの契約当時の院長名を記入するのでしょうか?

依頼者によると、一番新しい最近の契約のものを記載してくださいというところもあります。




●●● 製薬協見解 ●●●

その様式を使用するとすれば、最初の部分においては参照している契約締結日当時の契約者名を記載するのが妥当と考えられます。

ただし、GCP第13条では、「実施医療機関」と治験の契約を締結することになっており、実施医療機関の契約者個人とではないと考えられます。

従って、同条1項5号に契約書の記載事項として契約担当者がありますが、この契約担当者(ご質問の場合、実施医療機関の長)が変更になってもその契約はそのままで有効であり、治験契約の変更は必要ないと考えられます。

また、上記のことから,変更契約書の最初の部分では,甲として医療機関名のみの記載にされることをお勧めします。

他に同様の様式がありましたら、甲の記載についてご検討されることをお勧めします。



■■■■■ 関連するGCP条文 ■■■■■

(治験の契約)

第13条 治験の依頼をしようとする者及び実施医療機関(前条の規定により業務の全部又は一部を委託する場合にあっては、治験の依頼をしようとする者、受託者及び実施医療機関)は、次に掲げる事項について記載した文書により治験の契約を締結しなければならない。

1)契約を締結した年月日

2)治験の依頼をしようとする者の氏名及び住所

3)前条の規定により業務の全部又は一部を委託する場合にあっては、受託者の氏名、住所及び当該委託した業務の範囲

4)実施医療機関の名称及び所在地

5)契約担当者の氏名及び職名

(以下、略)


以上

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2014年04月19日

治験受託前のカルテスクリーニング(その3)

質問番号:2013-57 治験受託前のカルテスクリーニング(その3)

契約前にスクリーニングリストを提出することは可能でしょうか?

すでに「2013-14 治験受託前のカルテスクリーニング(その2)」で、「当該医療機関が示す個人情報利用目的の範囲内」であれば、問題ないとのご見解をいただいております。

ただ、実際には契約前の治験の予備調査目的でカルテ閲覧を行うことを個人情報利用目的に明示してスクリーニングを実施している医療機関は少ないと思いますので、施設側では非常にグレーゾーンの運用になっているのが現実ではないかと感じています。





<< 製薬協の見解 >>

個人情報利用目的の範囲内か否かは、最終的には実施医療機関でご判断いただく必要があります。

2013-14にお示ししましたように、スクリーニングリストは匿名化して個人を特定できないようにして提供されるべきものです。

当該リストの提供が、貴院の個人情報の利用目的から外れると判断される場合は、調査の可否や内容、治験受諾可否も含めて、適切に対応していただくことが必要と考えます。


★その他の「治験119番」はこちら。
    ↓
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2014年04月17日

医療機関の長の交代に伴う契約の変更(その1)

質問番号:2004-04 医療機関の長の交代に伴う契約の変更(その1)

当院では昨年9月に病院長が交代しました。

それ以前の治験の契約書等は旧病院長のままになっているため、治験継続中のものについては変更が必要と考え治験依頼者へ確認しました。

治験依頼者の回答は「特に変更の必要はない」とのことでした。

医療機関側の代表者の交代については覚書等の対応が必要では?と思うのですが、見解をご教示ください。

また、治験責任医師等の肩書きが変更になった場合はいかがでしょうか?




●●●製薬協見解●●●


ご質問の契約につきましては、GCP第13条にありますように、実施医療機関として貴病院と依頼会社という両法人間において締結されたものであり代表者が交代したことによって、その効力が失われるものではありません。

GCP第13条1項5号に「契約担当者の氏名及び職名」とありますが、これは契約締結時における必須記載項目であり、病院の契約担当者が契約を行なったことの証として記載いただくものです。

契約担当者の氏名あるいは職名が変わっても、契約の変更や覚書は必要ないと考えられます。

なお、治験責任医師等の職名の変更により覚書等の対応は不要ですが、治験計画変更届書により規制当局へ届け出る事項とされていますので、そのような変更が生じた場合は、速やかに治験依頼者にご連絡ください。


【見解改訂理由】

GCPガイダンス(平成24年12月28日薬食審査発1228第7号)発出に伴い、治験責任医師の職名は治験契約書の必須記載事項ではなくなりましたので、見解の記載を整備しました。




■■■■■ 関連するGCP条文 ■■■■■

(治験の契約)

第13条 治験の依頼をしようとする者及び実施医療機関(前条の規定により業務の全部又は一部を委託する場合にあっては、治験の依頼をしようとする者、受託者及び実施医療機関)は、次に掲げる事項について記載した文書により治験の契約を締結しなければならない。

1)契約を締結した年月日

2)治験の依頼をしようとする者の氏名及び住所

3)前条の規定により業務の全部又は一部を委託する場合にあっては、受託者の氏名、住所及び当該委託した業務の範囲

4)実施医療機関の名称及び所在地

5)契約担当者の氏名及び職名

6)治験責任医師の氏名

7)治験の期間

8)治験薬の管理に関する事項

9)記録(データを含む。)の保存に関する事項

10)この省令の規定により治験依頼者及び実施医療機関に従事する者が行う通知に関する事項

11)被験者の秘密の保全に関する事項

12)治験の費用に関する事項

13)実施医療機関が治験実施計画書を遵守して治験を行う旨

14)実施医療機関が治験依頼者の求めに応じて第41条第2項各号に掲げる記録(文書を含む。)を閲覧に供する旨

15)実施医療機関がこの省令、治験実施計画書又は当該契約に違反することにより適正な治験に支障を及ぼしたと認める場合(第46条に規定する場合を除く。)には、治験依頼者が治験の契約を解除できる旨

16)被験者の健康被害の補償に関する事項

17)その他治験が適正かつ円滑に行われることを確保するために必要な事項




<第1項>

1 治験の契約は、実施医療機関の長が治験審査委員会の意見に基づいて治験の実施を了承した後に、治験の依頼をしようとする者と実施医療機関の間で文書により行うこと。

なお、実施医療機関の契約者については、実施医療機関の長又は実施医療機関の長が選任した者のいずれでも差し支えないが、その責任は実施医療機関の長が負うこと。

また、治験責任医師は契約書の内容を確認するが、必ずしも署名等は必要としない。

以上

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医科大学教職員の外部委員指名の妥当性

質問番号:2004-03 医科大学教職員の外部委員指名の妥当性

IRBのメンバーについての質問ですが、医科大学教養部の教授を、当院と利害関係のない外部委員としておりますが、GCP上問題はないでしょうか?

なお、IRBの設置者は、医科大学学長で、実際の運用は医学部病院長に委嘱されています。

本学のいくつかの附属病院のそれぞれの病院長からの審査依頼を受けて、IRBを開催しております。




●●●製薬協見解●●●

「大学医学部附属病院の場合は、他学部の教員は実施医療機関と業務上の関係がない場合は、利害関係がないと考えられる」とGCP第28条第1項ガイダンス5にあります。

しかし、医科大学のような場合、医学部とは別の学部の教授の場合でも教授会等で附属病院の運営等に間接的に関与する場合があり、附属病院との利害関係がないことを示すことは難しいのではと考えられます。

更に、学長がIRBの設置者になっており、運営を病院長が行っていますので、教授が他学部であっても利害関係がないことを示すことは困難と考えられます。

これらのことから、IRBを構成する要件の一つである「実施医療機関と利害関係を有しない委員」 の指名に際しては疑念を受けないことが肝要であり、できるだけ学外の方にお願いされるべきと考えますが、学内の方を委員に指名する場合は、実施医療機関との利害関係(例えば大学内の会議組織上、業務上)がないことを示す必要があると考えます。


■■■■■ 関連するGCP条文 ■■■■■

(治験審査委員会の構成等)

第28条 治験審査委員会は、次に掲げる要件を満たしていなければならない。

1)治験について倫理的及び科学的観点から十分に審議を行うことができること。

2)5名以上の委員からなること。

3)委員のうち、医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者以外の者(次号及び第5号の規定により委員に加えられている者を除く。)が加えられていること。

4)委員のうち、実施医療機関と利害関係を有しない者が加えられていること。

5)委員のうち、治験審査委員会の設置者と利害関係を有しない者が加えられていること。



〈第1項〉

1 治験審査委員会は、治験について倫理的、科学的及び医学的・薬学的観点から審議及び評価するのに必要な資格及び経験を、委員会全体として保持できる適切な数の委員により構成するものとし、次に掲げる条件をすべて満たしていること。

(1)少なくとも5人の委員からなること。

(2)少なくとも委員の1人は、医学・歯学・薬学等の自然科学以外の領域に属していること。

(3)少なくとも委員((2)に定める委員を除く。)の1人は、実施医療機関及び治験の実施に係るその他の施設と関係を有していないこと。

(4)少なくとも委員((2)に定める委員を除く。)の1人は、治験審査委員会の設置者と関係を有していないこと。

2 治験審査委員会の委員は、実施医療機関の長又は第27条第1項の治験審査委員会の設置者が選任すること。

3 委員の数は、少なくとも5名と規定しているが、委員の数がこれよりも多い場合には、同項第3号、第4号又は第5号の委員の数を増やす等により、委員構成を適正な割合に保つことが必要である。

4 実施医療機関の長は、自らが設置する治験審査委員会に出席することはできるが、委員になること並びに審議及び採決に参加してはならない。

5 実施医療機関の職員等は、「実施医療機関と利害関係を有しない者」に該当しない。

ただし、例えば、実施医療機関が複数の学部を有する大学の医学部の附属病院である場合に、他学部(法学部等)の教員で実施医療機関と業務上の関係のない場合には、「実施医療機関と利害関係を有しない者」の対象と考えられる。

6 第4号及び第5号に該当する委員は、同一人物であることもあり得るが、別人であるか複数であることが望ましい。

7 治験審査委員会の設置者の役員、職員又は会員等は、「治験審査委員会の設置者と利害関係を有しない者」に該当しない。

8 治験審査委員会の各委員は、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則、GCP省令、薬事法、その他治験に係る法令及び行政通知等の内容を理解していること。

9 治験審査委員会は、男女両性で構成されることが望ましい。

10 治験審査委員会は、委員以外の特別な分野の専門家に出席を求め、その協力を得ることができる。



以上


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2014年04月16日

GCP省令の引用方法

質問番号:2004-02 GCP省令の引用方法

依頼者は、『治験実施計画書』の記載項目の一つに、必ず、倫理として、「本治験はヘルシンキ宣言に基づき……“医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年3月27日厚生省令28号)”、を遵守し、本治験を実施する。」を記載されます。

ここで用いられる省令に関してですが、 上記「 」は勿論【新GCP】に対する内容で、平成15年7月30日からは【改正GCP】が施行されています。

【改正GCP】は【新GCP】を含み、医師主導の臨床試験などの規定が加わったものと理解していますので、上記「 」には、“医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令の一部を改正する省令(平成15年厚生労働省令第106号)”が記載されるべきであると考えます。

平成15年8月以降に開始されるプロトコールに対する『治験実施計画書』の記載としては、

@【新GCP】に対する省令を記載(平成9年)

A【改正GCP】に対する省令を記載(平成15年)

B【新GCP】及び【改正GCP】の両方に対する省令を併記(平成9年及び平成15年)

上記の@〜Bのどれが正しいのでしょうか?





●●●製薬協見解●●●


法律・省令等で他の法律・省令等を引用する場合には、最初に制定されたときの法律・省令番号、制定日が記載されております。

実際にGCP省令では薬事法を引用していますが、最初の法律番号、制定日を記載しています。

よって、最初に制定された法律・省令番号、制定日を記載することで、それ以降行われた改正を含んでいると解釈できます。

このことより、治験実施計画書や契約書等でGCP省令を記載する場合は、省令の正式名称、最初の制定日、省令番号を記載し、略語を使用する場合は「以降GCPと略す」等と記載することでよいと考えられます(@でよいと考えられます)。

なお、平成15、16、18、20、24年に出された省令(第106号、第172号、第72号、第24号、第161号)は改正の部分のみを示していますので、単独でGCPとして契約書に記載することは適切でないと考えられます。

また、「新GCP」という呼称が薬発第430号(平成9年3月27日)で使用されていますが、医薬発第0612001号(平成15年6月12日)では単に「GCP」となっており、今後呼称としては「GCP」と記載するほうがよいと思われます。


以上

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2014年04月13日

治験実施計画書とモニターの指名記録

質問番号:(9) 治験実施計画書とモニターの指名記録

直接閲覧をともなうモニタリング担当者(モニター)の適格性について 治験実施計画書に記載のないモニターがモニタリングを実施して良いのでしょうか?

良いとしたら、治験実施計画書にモニターを記載する意義は何なのでしょうか?



●●●製薬協見解●●●

モニター(モニターが複数である場合にはその代表者)の氏名、職名及び電話番号等については、治験実施計画書の分冊として差し支えないとされ、また当該各実施医療機関に係るもののみの提出でよいこととなっています。

直接閲覧をともなうモニタリング時に、当該別冊に氏名等が記載されていない場合には、当該モニターの氏名等を実施医療機関が把握できるようにすることが必要となります。


【見解改訂理由】

「医薬品の臨床試験の実施の基準の運用について」の改訂(平成23年10月24日)に伴い、治験実施計画書上でのモニターの氏名、職名及び電話番号等の表記方法の説明を変更しました。



■■■ 【関連するGCP条文】 ■■■

(モニタリングの実施)

第21条

治験依頼者は、モニタリングに関する手順書を作成し、当該手順書に従ってモニタリングを実施しなければならない。

2 前項の規定によりモニタリングを実施する場合には、実施医療機関において実地に行わなければならない。

ただし、他の方法により十分にモニタリングを実施することができる場合には、この限りではない。


【ガイダンス】

2 治験依頼者は、適切な訓練を受け、治験を十分にモニタリングするために必要な科学的及び臨床的知識を有するモニターを指名すること。

また、モニターの要件を、モニタリングに関する手順書に記載しておくこと。


以上

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契約例数を上回る症例の組入れ

質問番号:2013-56 契約例数を上回る症例の組入れ

現在実施中の治験で、治験契約書には「目標とする被験者数:4症例(二重盲検期移行例として)」と記載されています。

本治験では、前観察期が約3ヶ月間あり、3ステッフ゜の期間に分かれています。

そして、観察期の最後の6週間は治験薬(実薬)を投与します。

この場合、二重盲検期移行前に契約を追加するという条件であれば、組み入れ時の契約症例数を超えて組み入れをしても問題はないのでしょうか。





<< 製薬協の見解 >>

4例(契約症例数:二重盲検期移行例として)を超えて、被験者を観察期に組み入れることは問題ありません。

ただし、契約症例数を超えた被験者が、契約上の問題により二重盲検期に移行できなくなることは、被験者の不利益となりますので、そのようなことがないように、当該被験者の二重盲検期前に症例数の追加に関する変更契約を確実に行うことが必要です。


なお、平成24年12月28日のGCP改正により、「目標とする被験者数」は治験契約書上の必須記載事項ではなくなりました(第13条第1項の改正)。


これを受け、新たに締結する治験契約書における「目標とする被験者数」の記載の必要性、及び本改正以前に既に締結されている治験契約書における目標被験者数変更に関する対応は、実施医療機関と治験依頼者の協議の結果によります。


したがいまして、双方の間で何らかの取り決めがあれば、被験者数変更のために変更契約(覚書を含む)を取り交わすことは必ずしも必要ではありません。


貴院SOPにおきまして、目標被験者数の変更に関する覚書の締結を必須とされているようでしたら、関連箇所の改訂についてご検討されることをお勧めします。


★その他の「治験119番」はこちら。
    ↓
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/tiken119/

タグ:契約
posted by ホーライ at 03:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 被験者の選定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月12日

治験依頼者による安全性情報提供の終了時期(その1)

質問番号:(8) 治験依頼者による安全性情報提供の終了時期(その1)

当院では、受託研究の終了報告書が提出されるまでを、安全性情報の報告受理の期限としております。

実際には治験自体は終了しているにもかかわらず、終了報告書が未提出の場合には、安全性報告を事務局で受理し対応しています。

事務局の業務として、かなり時間をさいている状況なので、例えば、契約終了までとか、別の期間を設定できるのではないかとも、考えております。

受理の期限がいつまでなのか、明確に記載されているものを、見たことがないのですが、何か規定されているものはありますでしょうか?

新GCP上、いつまでが妥当なのか、見解を示していただけたらと存じます。




●製薬協見解

GCP第20条によると、治験依頼者は被験薬に関する副作用情報等(以下、「安全性情報」)を治験責任医師や実施医療機関の長に通知、提供しなければなりません。

しかし、その安全性情報をいつまで継続的に提供しなければならないかについてはどこにも規定されておりません。

このため、その取扱いについては治験依頼者によって少なからず差異が見られるかもしれません。

しかし、GCP第20条の趣旨は、治験依頼者が治験責任医師等や実施医療機関の長に最新の安全性情報を提供し、治験期間中の被験者の安全性確保に細心の注意を払っていただくことによって、被験薬による健康被害の拡大を未然に防ごうとすることにあります。

このため、治験依頼者は、少なくとも治験実施計画書で規定される投与及び観察が終了するまで安全性情報を継続提供すべきと考えています。

従って、それ以降の安全性情報の要否は、各実施医療機関でご判断いただければよいと考えています。


【見解改訂理由】

以前は安全性情報の提出は終了報告書が提出されるまで必要であるとの見解でしたが、同様の質問が寄せられたのを機に、本見解を治験119で再検討しました。

その結果、検査・観察の終了以降は安全性情報が実施医療機関に提出されなくとも被験者の安全性確保には大きくは影響しないとの結論に達したために、見解を改訂しました。


■■■ 【関連するGCP条文】 ■■■

(副作用情報等)

第20条

治験依頼者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために必要な情報を収集し、及び検討するとともに、実施医療機関の長に対し、これを提供しなければならない。

2 治験依頼者は、被験薬について法第80条の2第6項に規定する事項を知ったときは、その発現症例一覧等を当該被験薬ごとに、当該被験薬について初めて治験の計画を届け出た日等から起算して1年ごとに、その期間の満了後3月以内に治験責任医師及び実施医療機関の長に通知しなければならない。

3 治験依頼者は、前項に規定する事項のうち当該被験薬の治験薬概要書から予測できないものを知ったときは、直ちにその旨を治験責任医師及び実施医療機関の長に通知しなければならない。

4 治験依頼者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、治験実施計画書及び治験薬概要書を改訂しなければならない。この場合において、治験実施計画書の改訂について治験責任医師の同意を得なければならない。


以上

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2014年04月10日

治験を実施している医療機関統廃合に伴う対応

質問番号:(7) 医療機関統廃合に伴う対応

ご承知の通り、国立病院、療養所では政策により統廃合が進められています。

当院においても本年7月に国立療養所…病院と統合し、新病院(現…病院を施設としてそのまま利用、療養所が統合され新たな医療機関名称を掲げる)が発足することになっております。

国立の場合、契約関係についてはGCPに加え、会計法が適用されており、統合に際し、現病院と新病院の会計は独立した物になります。

そこで、現病院での契約は本年6月末まで、7月以降は新病院で新たに契約締結する事になっております。

医療法上、この統合が新病院設立・設置に当たるか、単に医療機関名称の変更として取り扱われるかは定かではありませんが、治験の継続実施にあたり新病院設置と捉えた場合に実施医療機関としてGCP上の必要な措置(IRB設置、審査、契約、治験薬管理、被験者対応など)、依頼者が対応する内容についてご教示ください。

また、医療機関名称の変更とした場合、契約に際し、治験に関する現病院のすべて債権、債務を新病院が引き継ぐ旨の公文書の発行は最低限必要であると思われますがそれ以外に医療機関、依頼者が必要とされる措置についてご教示ください。






●製薬協見解

病院が統廃合され、新病院が設置された場合、次のような対応が考えられます。

1. 実施医療機関として

各々の病院で作成されていた「治験に係る業務に関する手順書」のすり合せ作業があります。

その結果、以下のような治験に関わる各業務並びにその責任者、担当者が明確となり、それに伴い治験の契約内容の変更が生じる可能性もあります。


1) IRB:委員長並びに委員の選任と事務局の設置

2) 審査:会議の成立要件、通常の審査・迅速審査の定義と対応等の運営に関する事項

3) 契約:契約担当者と契約者

4) 治験スタッフ:治験責任医師・分担医師の資格要件並びに治験協力者の条件、業務内容

5) 治験薬管理:治験薬管理者の選任、保管場所の確保

6) 記録の保存:記録保存責任者の選任、保存場所の確保と保存方法

7) その他 (有害事象発生時の院内手続き、被験者負担軽減費・特定療養費の支払い手続き、等)


治験の継続実施に当たっては、当該治験が新病院において実施体制(設備、治験スタッフ等)の面から可能かどうかを審議する必要があるかと考えます。

治験責任医師に変更がなければ、新病院が当該治験を実施する上での要件を満たしているかどうかだけかと思います。


それで承認された後、A病院の設備体制、手順書で治験を継続する時は、A病院で実施中の治験については、新たな審議等の手続は不要と考えますが、B病院で実施中の治験については、A病院(新病院)での実施可能性等に関して審議する必要があると考えます。


被験者対応に関しては、医療機関が変更になることを説明して、治験の継続の意思を確認する必要があると考えます (文書で再同意を取得する必要はないと考えますが、B病院で治験に参加されていた被験者に対しては、A病院(新病院)で実施されることもあり診療録等に継続の意思の確認を記録しておく必要があるかと思います)。

また、現に治験に参加して頂いている被験者の治験薬投与を事務的な理由により中断する事は倫理的でないので、統合時までに全ての手続きを終了する事が望まれます。



2.治験依頼者として

新たな実施医療機関での業務担当者、手順書の変更、また、新病院が当該治験を継続する上で設備等の要件が満たされているかを調査し、選定作業を行います。

(例えば、A病院で既に実施中であり、統合後、A病院そのままの設備体制、手順書を使用する場合は新たな選定は不要と考えます)。

また、実施中の治験に係わる文書又は記録が新病院に移管されたことを確認するため、直接閲覧をさせて頂くことも考えられます。

治験責任医師等が変更となる場合には、適格性の調査、治験責任医師から計画書及び説明文書の合意(説明文書の場合は本来作成する事になりますが、現にあるものの合意になると考えます)取得が必要と考えます。その後、問題がないことを確認して、当局へ変更届けを提出し、治験実施医療機関との契約手続きが進められます。


■■■ 【関連するGCP条文】 ■■■

●(治験の契約)

第13条 治験の依頼をしようとする者及び実施医療機関(前条の規定により業務の全部又は一部を委託する場合にあっては、治験の依頼をしようとする者、受託者及び実施医療機関)は、次に掲げる事項について記載した文書により治験の契約を締結しなければならない。

(以下略)



●(治験薬の管理)

第16条 治験依頼者は、治験薬の容器又は被包に次に掲げる事項を邦文で記載しなければならない。

(以下略)



●(治験審査委員会の設置)

第27条 実施医療機関の長は、治験を行うことの適否その他の治験に関する調査審議を次に掲げる治験審査委員会に行わせなければならない。

(以下略)



●(記録の保存)

第41条 実施医療機関の長は、記録保存責任者を置かなければならない。



●(治験分担医師等)

第43条 治験責任医師は、当該治験に係る治験分担医師又は治験協力者が存する場合には、分担する業務の一覧表を作成しなければならない。

(以下略)


以上
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2014年04月09日

契約期間終了後の有害事象の追跡調査に対する契約の必要性

質問番号:(6) 契約期間終了後の有害事象の追跡調査に対する契約の必要性

契約(研究)期間終了後の追跡調査に関し、新たな(あるいは継続)契約が必要か否かについて 本年3月31日に終了した(=契約書の研究期間)治験について、3月末の最終検査で有害事象(検査値の異常変動)が発現したため、治験実施計画書に従い追跡調査を実施していただいた。

これについて、治験事務局は契約が必要か否か判断できないため、治験依頼者が不要と考えるのであればその根拠(見解)を示せとのことであった。

そこで、会社法務部門の了解を得て提出しようとしたところ、治験依頼者の私的見解ではなく、当局あるいは製薬協などがどのように考えているか確認し、示して欲しいとのことであった。

治験事務局に他に事例(経験)はないかお伺いしましたが、他は、追跡調査を網羅する契約を予め締結しており(?)、本件のような事例は初めてとのこと。

なお、現時点で既に追跡調査は実施済みであり、回答は早急(5月末位)に必要なため、契約を不要とする根拠を探すよりも、追跡調査のために新たな契約を締結した方が話しは早いと考え、4月1日以降の追跡調査実施の正当性を確保(網羅)する契約を現時点で締結する方向で考えております。





製薬協見解

治験契約書で取決められる「治験の期間」は、通常、当該実施医療機関において、治験実施計画書で規定される治験薬の投与又は検査・観察が全て終了されるまでの期間をさして扱われていますが、もちろん法的な裏付けがあるわけでありません。

このため、まずは、契約の当事者間において「治験の期間」の認識を共通のものにするため、あらかじめ、両者で十分に話し合っておく必要があります。

さて、有害事象発現症例に対する追跡調査については、GCPの規定に沿って、

(1) その必要性が治験実施計画書で規定されている

(2) 原契約において「治験実施計画書を遵守した治験の実施の必要性(GCP第13条1項13号)」と「被験者に対する健康被害補償の取り扱い(GCP同条同項第16号)」が規定されているといった措置がとられているはずです。

すなわち、たとえ、有害事象発現症例に対する追跡調査の実施時期が「治験の期間」の枠外となったとしても、その実施が契約上担保されているといえますので、特段の不都合が生じるとは考えられません。

従って、治験契約を更新等の手続きは、一般的には、必ずしも必要ないと考えられます。

なお、同様のことは、「記録の保存(GCP同条同項9号)」、「被験者の秘密の保全(GCP同条同項11号)」、「治験依頼者の求めに応じた実施医療機関の原資料等の閲覧への協力(GCP同条同項14号)」等の契約事項についてもいえます。




■■■ 【関連するGCP条文】 ■■■

(治験の契約)

第13条 治験の依頼をしようとする者及び実施医療機関(前条の規定により業務の全部又は一部を委託する場合にあっては、治験の依頼をしようとする者、受託者及び実施医療機関)は、次に掲げる事項について記載した文書により治験の契約を締結しなければならない。

1)契約を締結した年月日

2)治験の依頼をしようとする者の氏名及び住所

3)前条の規定により業務の全部又は一部を委託する場合にあっては、受託者の氏名、住所及び当該委託した業務の範囲

4)実施医療機関の名称及び所在地

5)契約担当者の氏名及び職名

6)治験責任医師の氏名

7)治験の期間

8)治験薬の管理に関する事項

9)記録(データを含む。)の保存に関する事項

10)この省令の規定により治験依頼者及び実施医療機関に従事する者が行う通知に関する事項

11)被験者の秘密の保全に関する事項

12)治験の費用に関する事項

13)実施医療機関が治験実施計画書を遵守して治験を行う旨

14)実施医療機関が治験依頼者の求めに応じて第41条第2項各号に掲げる記録(文書を含む。)を閲覧に供する旨

15)実施医療機関がこの省令、治験実施計画書又は当該契約に違反することにより適正な治験に支障を及ぼしたと認める場合(第46条に規定する場合を除く。)には、治験依頼者が治験の契約を解除できる旨

16)被験者の健康被害の補償に関する事項

17)その他治験が適正かつ円滑に行われることを確保するために必要な事項


以上


posted by ホーライ at 03:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の契約 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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