2014年06月12日

治験協力者の履歴書の取扱い

質問番号:2005-02 治験協力者の履歴書の取扱い


治験協力者の履歴書提出についてです。

その中で、最近、外資系の製薬企業からCRCの履歴書を求められるということが続き、現場が少し混乱したことがありました。

本来、日本のGCPでは、責任医師・分担医師の要件を満たしているかどうかを確認するために、医師は最新の履歴書を依頼者に提出する責務があると謳われています。

ですが、治験協力者はあくまでIRBで審査され、院長の了承によるものであると思いますし、履歴書を提出することが本当に必要なのか?と疑問に思います。

履歴書の内容を依頼者に確認しますと、氏名、年齢、性別、最終学歴、職歴等で、特に統一した内容はなさそうです。

個人情報ですし、必要があれば、医療機関は拒むものではありませんが、依頼者の説明では、「グローバルで求められています。」であるとか、「本国から履歴書を入手するように言われています。」ということです。

これでは、なかなか現場は納得しないと思うのです。

かといって、私も施設からこのような相談、質問を受けたときに、「提出する必要はありません。」などと何の根拠もなく言えるはずもなく、どう返答して良いのか悩みます。

今後このような流れはどの治験を受託する際にも主流になっていくのでしょうか?

医療機関はどのように対応していけばよいのでしょうか?





●●● 製薬協見解 ●●●

以下の理由によりCRCの履歴書を提出する必要は無いと考えます。

本件は、モニターの履歴書の提出を求める医療機関が存在するのと意味合いが同じく、治験依頼者のSOPによるものと考えられ、業界の統一基準や当局の規制・指示・要望ではありません。

GCPでは、CRCの選定・指名は治験責任医師の責務であり、治験依頼者はCRCを指名・選定する権限を有しておりません。

また、GCPには製薬会社がCRCの履歴書を入手する旨の記載(治験に係る文書又は記録)はありません。


一方、ICH E3ガイドラインが基となる「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドラインについて(平成8年5月1日 薬審第335号)」におきまして、「看護婦・・・などのうち、効果に関する主要な又は重要な変数の観察を行った・・・人々」の氏名、所属、治験における役割及び資格(履歴書又はそれに準じるもの)の一覧表を総括報告書に添付することが求められていますが、これは重要な観察を行った場合であり、しかも多施設試験では一般的な資格、治験での役割の情報でよく、CRCの履歴書を必要とする場合はほとんどないと考えられます。

以上、日本のGCP上CRC(治験協力者)の履歴書は提出する必要性はありません。

更に、FDAのIND下での治験でもCRCの履歴書は必須ではありません。

治験依頼者となるべき者がCRCの履歴書の提出を求める場合は、その理由、根拠となるものを要求し、その上でなお納得しがたい場合は、治験責任医師等ともご相談のうえ治験の依頼を拒否することもやむをえないと考えます。



以上

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2014年06月10日

派遣CRCの治験協力者としての指名及び契約時期(その1)

質問番号:2005-01 派遣CRCの治験協力者としての指名及び契約時期(その1)

現在当院では、某SMO2社からお話を戴き、派遣CRCの導入を検討しております。

1社はあらかじめ、業務委受託と秘密保持の基礎契約の締結を求めておりますが、もう1社は、治験ごとに実施が決まってからの契約でよいとのことです。

いろいろな形態があってよいと考えますが、治験協力者の指名についてご質問させていただきます。

当院では、事前に治験責任医師から提出されたリストに基づく治験協力者の指名を、IRB審査後の院長の指示決定時に行っております。

基礎契約のないSMOからの派遣CRCを導入する場合、派遣の件も併せてIRBで審査し、その後院長の決定(指名)を経て、治験実施の契約と同時にSMOとの契約手続きを進めるということで問題ないでしょうか?





●●● 製薬協見解 ●●●


貴院においてIRBでの派遣の件に関する審議事項(派遣CRCを受け入れることの妥当性、派遣するSMOの適格性、又は派遣されるCRC自身の適格性等)ですが、本項目はGCPで求められている必須審議事項ではありません。

しかしながら貴院として本件を審議事項とされているのであれば、IRB承認に基づいて院長の了承後にGCP第39条の2(業務の委託等)で規定されている当該業務の契約を貴院とSMOで締結し、同時に治験実施契約を締結することで問題は無いと考えられます。



以上

posted by ホーライ at 20:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験協力者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月08日

治験協力者として指名された医師の業務範囲?

質問番号:2004-11 治験協力者として指名された医師の業務範囲

当院で実施中の治験の分担医師が異動になり、代わりに着任された医師が当院における標準業務手順書上の分担医師の条件を満たしていなかった(臨床経験の年数不足)ため、IRBで分担医師の変更申請を認めてもらえませんでした。

そこで、治験協力者として参加させるという案が浮上したのですが、治験協力者が医師の場合、治験関連業務として実施可能な業務はどのようになっているのでしょうか?

具体的には、治験薬の処方、検査オーダー、症例報告書の作成等が可能かどうかを教えていただければと思います。

大学病院では、研修医等が治験協力者として関わっていることがあるそうですが、どの程度までの業務を行っておられるのでしょうか?



●●● 製薬協見解 ●●●

「「治験協力者」とは、実施医療機関において、治験責任医師又は治験分担医師(以下「治験責任医師等」)の指導の下にこれらの者の治験に係る業務に協力する薬剤師、看護師その他の医療関係者をいう。」(GCP第2条14項)と規定されており、治験協力者が医師であっても、業務はいわゆる補助業務(同意取得の補助、モニタリング・監査への協力等)に限定されると考えます。

従って、医薬品を処方する場合は患者を自ら診察する必要があります(医師法第20条)が、被験者の診察を行うのは治験責任医師等ですので、治験薬の処方はできないと考えます。

検査のオーダーも同様と考えます。

症例報告書の作成について、治験協力者は補助(診療録からの単なる転記等)はできますが、治験責任医師等が行う医学的判断が必要な項目については、記載できないと考えます。

大学病院であっても、治験協力者としての業務内容・範囲には違いはないと考えます。





■■■■■ 関連するGCP条文 ■■■■■

(定義)

第2条

14 この省令において「治験協力者」とは、実施医療機関において、治験責任医師又は治験分担医師の指導の下にこれらの者の治験に係る業務に協力する薬剤師、看護師その他の医療関係者をいう。



医師法第20条
 ↓
http://www.houko.com/00/01/S23/201.HTM

第20条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。

但し、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。


以上

posted by ホーライ at 04:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験協力者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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