2014年06月14日

被験者となる可能性のある治験審査委員会委員の審議・採決への参加

質問番号:2005-04 被験者となる可能性のある治験審査委員会委員の審議・採決への参加

IRBの外部委員が当該医療機関に患者として通院している場合、また、当該治験の被験者になる予定の場合、この外部委員がIRBの審議・採決に加わることはGCP上問題ないでしょうか。





●●● 製薬協見解 ●●●

外部委員について、GCP第28条には、「実施医療機関と利害関係を有しない者」と記載されており、GCP第28条第1項ガイダンス5においては、業務上の関係の有無に関する事例が記載されています。

しかし、利害関係は業務上の関係だけでなく、ご質問のような事例も利害関係のある事例に準ずると考えられ、ご質問のケースではGCP上問題があると判断されます。

また、たとえ通院していなくても、当該治験の被験者になる予定の場合、その委員の判断が恣意的になる可能性があり、外部委員としてだけではなくIRB委員として第三者性(治験依頼者からも医療機関からも独立した存在)の面から要件に疑義を持たれると考えられます。

このようなことを避けるため、外部委員を複数名とし、ご質問のような状況に該当する委員は審議・採決に参加させないといった対処が必要と考えます。


以上

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2014年06月12日

治験審査委員会における採決の基準

質問番号:2005-03 治験審査委員会における採決の基準


IRBにおける承認条件についての質問です。

IRBのSOP作成に当たり、「出席委員のうち採決権のある委員全員の合意をもって承認とする」という案を作成しましたが、医療機関からの「過半数で承認だ」という意見により否定されてしまいました。

機構のコメントでは、2/3以上あるいは全員一致がのぞましいとされているとのことですが、これに関して公式の記述などはあるでしょうか。

また過半数での承認で問題ないかご意見をお聞かせください。




●●● 製薬協見解 ●●●

GCP第29条第2項では、「審議に参加していない委員は、採決に参加することができない。」とありますが、採決に当たっての基準、例えば「過半数」あるいは「2/3以上」等は明記されていません。

また、GCP第282項ガイダンス3では、IRB成立要件として「委員の過半数。ただし最低でも5名以上の委員の出席が必要。」となっていますが、採決条件については明記されていません。


GCP実地調査の際に採決の方法についてコメントを出している場合があるようですが、公式の記述や規制当局が主催する説明会ではそのような具体的な指導は行われていないようです。

IRBとしての責務、すなわち被験者保護を考えますと、賛成できない委員の理由を明確にし、必要に応じ治験依頼者等適切な関係者に追加資料を要求したり、専門家等を招聘して意見を聞いたりして、十分検討することが重要と考えます。

また、採決について過半数での賛成で承認という規定を設けた場合でも、その反対の理由を議事要旨に記載し、さらには、治験審査委員会の意見を記載した文書にも反対の理由を記載して、治験依頼者及び治験責任医師等に治験を実施する際に注意を喚起することも考えられます。


以上

posted by ホーライ at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験審査委員会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月05日

治験契約締結前における治験薬副作用定期報告書の治験審査委員会審査

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■□■ 製薬協作成「治験119」の紹介 ■□■ 
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<< 質問 >>354p

質問番号:2013-19 治験契約締結前における治験薬副作用定期報告書の治験審査委員会審査

治験依頼者より、当院と契約前に治験薬の定期報告が発行されたため、本院病院長への
報告が必要との報告がありました。

契約締結前の安全性情報の事務処理はどのように致しますればよろしいのでしょうか?




<< 製薬協の見解 >>

GCP第20条第2項に従い治験依頼者から提供される定期的な安全性情報について、
実施医療機関の長はGCP第31条第2項に従いIRBの意見を聴き、IRBはGCP第32条第3項に従い、
治験継続の適否を審査する必要があります。

また、治験責任医師はGCP第54条第2項に従い、当該安全性情報が被験者の意思に影響を
与える情報かどうか、被験者への説明文書を改訂する必要があるかを速やかに判断する必要があります。

ご質問にあります治験契約締結前に提供された安全性情報についても、治験責任医師に
説明文書の改訂の要否を判断していただくとともに、次回IRBで治験の継続の可否を
審査していただくことで問題ありません。



★その他の「治験119番」はこちら。
    ↓
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/tiken119/



posted by ホーライ at 14:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験審査委員会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

NPO法人設置の治験審査委員会における利益相反

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■□■ 製薬協作成「治験119」の紹介 ■□■ 
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<< 質問 >>352p

質問番号:2013-17 NPO法人設置の治験審査委員会における利益相反

自病院に10年来、院内治験審査委員会を設置し、年間10〜15件の新規治験を
審査してきた500床以上の某大病院があります。

この病院より、外部のNPO法人が設置する治験審査委員会に治験審査依頼を
するにあたり、以下のような質問を受けました。

特に、昨今の臨床研究、治験での利益相反が話題になっていることから、
利益相反の観点から教えて下さい。

NPO法人の定款によると、事業内容としては、(1)臨床に関わる研究開発支援、
(2)治験審査委員会・倫理審査委員会の運営、(3)治験・臨床研究等の医療
関連情報の啓発、とされています。

本治験審査委員会の委員は10名いますが、NPO法人の役員1名が委員となっています。

また、同法人の役員3名(4人の内)が、当該治験審査委員会の専門委員(非常勤で
審議採決に参加せず、アドバイザーとして意見を述べる立場)となっています。

1) NPO法人の役員が、同法人設立の治験審査委員会の委員になることは問題ありませんでしょうか?

2) NPO法人の役員が、同法人設立の治験審査委員会の専門委員になることは問題ありませんでしょうか?

3) GCP28条第1項10に「・・・・・専門家に出席を求め、・・・・」とありますが、
本治験審査委員会では専門委員と表記している。

委員とすると審査委員会の委員と紛らわしいので、専門家と変更すべきでしょうか?
専門委員のままでもいいでしょう

4) NPO法人は定款に事業(1)として、A製薬会社の薬剤の開発支援を行っていた場合、
当該治験審査委員会でA製薬会社の開発品の審査を行う事に対し、利益相反の問題はないでしょうか?

5) A製薬会社の開発品Xの臨床開発支援を行っていた場合、当該治験審査委員会で
A製薬会社の開発品Yの治験審査を行う事は利益相反に該当しますでしょうか?

6) 当該役員の委員は、事業(1)と関係のない製薬会社の審議の採決に参加することは問題ないでしょうか?

7) NPO法人がA製薬会社の開発支援をしているが、上記専門委員は、当該治験審査委
員会の審議案件がA製薬会社と関係ある開発品の審議で参考意見を述べていいでしょうか?

また、現在開発支援している開発品と関係がなければ参考意見を述べていいでしょうか?




<< 製薬協の見解 >>

1)〜3):

特定非営利活動法人(NPO)法人の役員は、GCP第28条第1項ガイダンス7にありますように
「治験審査委員会の設置者と利害関係を有しない者」に該当しませんので、GCP第28条第1項
第5号で規定するいわゆる「外部委員」にはなれませんが、それ以外の委員となることはできます。

また、NPO法人の役員は、GCP第28条第1項ガイダンス10でいう「委員以外の特別な分野の専門家」と
して協力することもできますので、ご質問にある「専門委員」になることに問題はありません。

なお、「専門委員」を「専門家」等の用語に変更する必要性ですが、GCPではなく運用の問題ですので、
誤解が生じやすいと判断されるなら適宜対応されればよいと考えます。


4)〜7):

NPO法人の治験審査委員会と治験依頼者との関係についてのこれらご質問については、詳細な背景情報
が把握できていませんので、断定的な回答は避けさせていただきます。

実施医療機関は、GCP第27条第2項ガイダンス5にある以下の点をご留意いただき、当該治験審査委員会
が公正かつ適正な審査が行われると考えられる治験審査委員会であるか否かを判断のうえ利用する必要があります。

・当該治験審査委員会の設置者の役員に、当該治験審査委員会による調査審議の対象となる治験との
関連の有無を問わず、製薬企業と密接な関係を有する者を含んでいないこと。

・治験審査委員会の設置者の行う事業として、調査審議の対象となる治験に係る薬物の開発に関わっていないこと。

・調査審議の対象となる治験に関連する製薬企業からの賛助金等(物品の贈与、便宜の供与等を含む。)を
受けていないこと。
ただし、適切な利益相反マネジメントの実施等により、治験審査委員会による治験の実施又は継続に
係る意見に影響が及ばないと一般に認められる場合はこの限りでない。

・調査審議の対象となる治験に関連する営利企業の株式を保有していないこと。
ただし、適切な利益相反マネジメントの実施等により、治験審査委員会による治験の実施又は
継続に係る意見に影響が及ばないと一般に認められる場合はこの限りでない。



★その他の「治験119番」はこちら。
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http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/tiken119/




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