同意書は治験依頼者に事前準備いただくのが通例とは思いますが、使用頻度が思いのほか早く、施設への追加搬入が間に合わない場合、施設にて準備した同意書に署名頂き、その同意書をコピーし控えとする事も可能なのでしょうか?
本来ならすべきではないとは思いますがご見解をいただけます様宜しくお願い致します。
(注釈)
「治験依頼者が準備する同意書」:
一般的に同意書が2〜3枚複写、説明文書と一体となった冊子タイプの同意・説明文書を依頼者より準備して頂いています。
「施設にて準備した同意・説明文書」:
文書を施設にて印刷し、同意書について1枚に患者様より署名を頂き必要枚数コピーし控えとする。
様式・記載内容については治験依頼者、施設の印刷も変わりありません。
●●● 製薬協見解 ●●●
GCP第51条第1項には、被験者を治験に参加させるために説明を行うときは「治験責任医師等は(中略)説明文書を交付しなければならない」とあり、また同条第1項ガイダンス 6及びGCP第2条ガイダンス15(1)Aには「説明文書と同意文書は一体化した文書又は一式の文書とすることが望ましい」とあります。
さらに、GCP第2条ガイダンス15(1)B には「同意文書は(中略)あらかじめ、様式を定めている場合には、説明文書と一体化した文書又は一式の文書として取り扱うこと。
例えば、第10条に基づき実施医療機関の長に対し説明文書を提出する場合及び第32条に基づき治験審査委員会に対し説明文書を提出する場合には、説明文書と同意文書をあわせて提出すること」と記載されています。
以上のことから、実際に用いる同意文書は、被験者に確実に説明文書も手渡されるよう、説明文書と一体化したものがより適切で、それらは治験審査委員会で承認されたものでなければなりません。
したがいまして、治験審査委員会で承認を受けた(説明文書と一体化した複写式の)同意文書を施設にて準備頂くことが望ましいとは思われますが、その作成が時間的に困難なために、ご質問のような同意文書を例外的に用いることはやむを得ないと思われます。
ただし、説明文書と切り離した状態で保存される同意文書の場合には、被験者が受け取った説明文書を同意文書の中で特定(例:説明文書の作成日や版数を明記)できるよう留意する必要があると考えます。
以上