2014年04月30日

診療録の外部保管は可能?

質問番号:2004-10 診療録の外部保管

GCP上ではカルテ等の記録についての記載がありますが、保管場所の記載がありません。

カルテは院内で保管しておかなければならないのでしょうか。

施設外のしかるべき場所で適切に保管し、必要時には電送等で対応することはGCP上問題ないでしょうか。




●●● 製薬協見解 ●●●

カルテの保管場所につきましては、「診療録等の保存を行う場所について」(平成14年3月29日付、医政発第0329003号・保発第0329001号厚生労働省医政局長、保険局長通知)におきまして、作成した病院又は診療所以外の場所における保存が可能であること及びその際に遵守すべき基準が示されています。
  ↓
http://www.medis.or.jp/2_kaihatu/denshi/file/140405-a.pdf



また、調査した範囲では本通知以外に:

・「診療録等の保存を行う場所について」の一部改正について(平成25年3月25日付、医政発0325第15号・医薬発0325第9号・保発0325第5号 厚生労働省医政局長、厚生労働省医薬食品局長、厚生労働省保険局長通知)
  ↓
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/dl/01-08.pdf



・診療録等の外部保存に関する通知として・診療録等の外部保存に関するガイドラインについて(平成14年5月31日付、医政発第0531005号)
  ↓
http://www.higashiyama.kyoto.med.or.jp/images/140613-b.pdf


・民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について(平成17年3月31日付、医政発第0331009号・薬食発第0331020号・保発第0331005号 厚生労働省医政局長、厚生労働省医薬食品局長、厚生労働省保険局長通知)及び当該通知が参照する「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の改訂版
  ↓
http://www.medis.or.jp/2_kaihatu/denshi/file/170331-a.pdf


・記録、帳簿の電子媒体による保存について(平成14年8月13日、医薬発第0813001号厚生労働省医薬局長通知)
  ↓
http://jsrttb.met.nagoya-u.ac.jp/newweb/topics/densibaitai.htm

などがありました。以上より、これらの通知・基準を満たす場合には、診療録等の外部保存は可能です。



一方、ご質問の通りGCP上、カルテの保管場所についての記載はありませんが、治験に係る文書又は記録の保管につきましては、実施医療機関の長が記録保存責任者を置くこと(GCP第41条第1項)、「〜紛失又は廃棄されることがないように、また、求めに応じて提示できるような措置を講じなければならない。」(GCP第41条第2項ガイダンス2)と定めております。

したがいまして、記録保存責任者の下、治験依頼者が行うモニタリング及び監査並びに治験審査委員会及び規制当局による調査を受け入れ、原資料(カルテ等原本)等を直接閲覧に供することが規定されていますので、これに対応できる保管体制が必要と考えます。

特に紙原本のカルテの場合には、治験終了後しばらくは院内にて保管する必要があると考えます。

また、紙原本のカルテを治験終了後に外部保管する場合には、時期、保管期間、保管責任者、保管方法、保管場所等を手順書に明記して、適切に運用することが必要と考えます。(特に保管期間につきましては、治験の場合、GCP第41条第2項に規定される期間が医師法第24条第1項の規定より長い場合はGCPに従うことになりますので注意が必要です)

なお、モニタリング、監査、当局等による調査では上記のように原本を示す必要があり、調査時には原本を取り寄せておかなければならず、写しでは代用できません。

医療機関内で手順を規定し、定められた手順に従って記録・保管されて真正性・見読性・保存性を保証出来る状態にあれば、紙原本から電子原本に変更することは可能と考えられます。



■■■■■ 関連するGCP条文 ■■■■■


(記録の保存)

第41条

実施医療機関の長は、記録保存責任者を置かなければならない。

2 前項の記録保存責任者は、次に掲げる治験に関する記録(文書を含む。)を被験薬に係る医薬品についての製造販売の承認を受ける日(第24条第3項又は第26条の10第3項の規定により通知を受けたときは、通知を受けた日後3年を経過した日)又は治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間保存しなければならない。

1)原資料

2)契約書又は承認書、同意文書及び説明文書その他この省令の規定により実施医療機関に従事する者が作成した文書又はその写し

3)治験実施計画書、第32条第1項から第3項までの規定により治験審査委員会等から入手した文書その他この省令の規定により入手した文書

4)治験薬の管理その他の治験に係る業務の記録


【ガイダンス】

2 実施医療機関の長又は記録保存責任者は、これらの記録がこの保存義務期間中に紛失又は廃棄されることがないように、また求めに応じて提示できるように必要な措置を講じておくこと。


以上

posted by ホーライ at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 外部機関での資料保管 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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