2012年12月05日

治験実施計画書の分冊について

●○● 治験実施計画書の分冊について ●○●


治験実施計画書に記載すべき事項で当該施設特有の情報は治験実施計画書の分冊とし、実施医療機関の長には、当該実施医療機関に係るもののみを提出することで良い。

モニターの変更はIRBの審議事項ではない。


(GCP運用通知の前文では↓)

治験実施計画書に記載すべき実施医療機関の名称及び所在地、治験責任医師となるべき者の氏名及び職名並びに実施医療機関を担当するモニターの氏名、職名及び電話番号等について、治験実施計画書の分冊とし、実施医療機関の長には、当該実施医療機関に係るもののみを提出することで良いこととした。(第7条第1項、第4項及び第5項、第15条の4第1項及び第4項、第31条第2項)




例えば、施設を担当しているモニターの氏名などはプロトコルの別冊に記載すればよく、それを該当病院に提出するだけでよくなった。

例えば、東京大学医学部付属病院の担当モニターが田中一郎君だけなら、東大病院に提出するプロトコルの別冊に「担当モニター:田中一郎」だけ記載して、この別冊は東大病院にだけ提出すればよい。

京都大学医学附属病院に「田中一郎君」の名前を書かなくてもよい。(田中君が京大病院を担当していないなら。)

これが便利なのは、東大病院が田中君から佐藤次郎君に変わった場合は、東大病院にだけその変更を書いたプロトコルの別冊を出すだけでよい。

さらにさらに!

裏ワザ的ですが、モニターが複数いる場合は「代表者名だけでもよい」とGCP省令第7条の運用通知に書かれている。
  ↓
「各実施医療機関を担当するモニター(モニターが複数である場合にはその代表者)の氏名、職名及び電話番号等については、施設に特有の情報として、治験実施計画書の分冊として差し支えなく、当該各実施医療機関の長に対しては、当該分冊のうち、当該実施医療機関に係るもののみを提出することとして差し支えない。」

・・・とあるので、モニターリーダーの名前を1名だけ書けば、それで全施設を同じ別冊でよいし、モニターが変更になっても別冊を改訂しなくてもよい。

ただし、「担当者の連絡先」ということで、担当モニターを施設に知らせる必要があるけれどね。
   ↓
「治験実施計画書又はその分冊に記載されたモニター以外のモニター及び監査担当者が診療録の閲覧等を行う場合は、モニター等の氏名等を当該医療機関が把握できるようにすること。」




ちなみに「製薬協の治験119」には次のように書かれています。

●(質問)質問番号:2011-43 治験実施計画書 分冊 モニター一覧提供の必要性

治験責任医師・実施医療機関・モニター一覧の扱いが分冊可能となり、分冊であれば自身の病院に係る変更以外は治験審査委員会での審査不要となりました。

現在稼働中の治験で分冊となっているかどうか確認したところ、モニター一覧が提出されていないところがありました。

治験依頼者に確認すると、実施医療機関には提供できないとの返答でした。

モニター一覧(当該医療機関に係るもののみ)の提出はGCP上必須ではないのでしょうか。

必須でなければ、提出は不要であり、当院担当のモニターが変更になっても治験審査委員会での審査不要としてよいでしょうか?


「製薬協の見解」

GCP第7条第1項運用通知2としまして、「治験実施計画書(改訂版を含む。)に通常含まれているべき具体的事項については、中央薬事審議会答申注1)の10を参照すること。」とされ、さらに、各実施医療機関を担当するモニターの氏名及び所属の取扱いについて規定されています。

GCP運用通知は、平成23年10月24日付けで薬食審査発1024第1号として改訂の通知が発出され、平成24年4月1日から施行となっておりますが、その補足として「この通知日以降に行われる医薬品の臨床試験については、この通知の規定を適用しても差し支えありません。」と説明されております。

この改訂通知では、治験実施計画書の分冊に記載するモニターの氏名、所属に関して、「各実施医療機関を担当するモニター(モニターが複数である場合にはその代表者)の氏名、職名」と改訂されましたので、通常は代表者のみの記載でよく、当該実施医療機関を担当するモニター一覧を治験実施計画書又はその分冊として、作成、提出する必要はありません。

しかしながら、治験実施計画書又はその分冊に記載されたモニター(モニターが複数である場合にはその代表者)でない者が診療録の閲覧等を行う場合は、当該モニターの氏名等を何らかの方法で当該医療機関が把握できるようにする必要はあります(GCP第7条第1項運用通知3)。
 
なお、モニターの変更につきましては、過去の見解(2009-12及び2009-27)にもありますように、治験審査委員会の審査は必要ございません。



●(質問)質問番号:(9) 治験実施計画書とモニターの指名記録

直接閲覧をともなうモニタリング担当者(モニター)の適格性について治験実施計画書に記載のないモニターがモニタリングを実施して良いのでしょうか?

良いとしたら、治験実施計画書にモニターを記載する意義は何なのでしょうか?


「製薬協の見解」

モニター(モニターが複数である場合にはその代表者)の氏名、職名及び電話番号等については、治験実施計画書の分冊として差し支えないとされ、また当該各実施医療機関に係るもののみの提出でよいこととなっています。

直接閲覧をともなうモニタリング時に、当該別冊に氏名等が記載されていない場合には、当該モニターの氏名等を実施医療機関が把握できるようにすることが必要となります。




●(質問)質問番号:2010-15 治験責任医師への他施設に関する治験実施計画書分冊の提供

実施医療機関の長に提出する文書に関連して、GCP第10条第1項運用通知では「第7条第1項の規定に基づき治験実施計画書の分冊を作成しており、当該分冊に記載された当該治験実施医療機関以外の実施医療機関に特有の情報を改訂する場合を除いて差し支えない」とありますが、治験責任医師には 他施設の情報であっても、提供が必要なのでしょうか。


「製薬協の見解」

治験実施計画書の分冊が、GCP第7条第1項運用通知2の規定「一の治験実施計画書に基づき複数の実施医療機関に対して治験の依頼をしようとする場合において、実施医療機関の名称及び所在地、治験責任医師となるべき者の氏名及び職名並びに各実施医療機関を担当するモニター(モニターが複数である場合にはその代表者)の氏名、職名及び電話番号等については、施設に特有の情報として、治験実施計画書の分冊として差し支えなく、当該各実施医療機関の長に対しては、当該分冊のうち、当該実施医療機関に係るもののみを提出することとして差し支えない。」に基づき作成されたものであれば、治験責任医師に当該実施医療機関以外の分冊及びその改訂を提供する必要はありません。

ただし、治験実施計画書の分冊の記載内容が当該実施医療機関に特有の情報に留まらず、全ての治験責任医師に周知しておくべき情報まで記載されているのであれば、治験責任医師への提供は必要と考えます。


(ホーライ追記)

治験責任医師の一覧もプロトコルの別冊に記載しなくてもよい。

治験責任医師間で連絡が行えるようにしておけばよい。(たとえば、治験依頼者を通じてね。)・・・パブリックコメントの回答より。




●(質問)2012-24 治験実施計画書の別紙/分冊の保存

以下のような治験実施計画書の改訂において、実施医療機関の長が治験審査委員会(以下、IRB)への審査依頼不要と判断する場合、実施医療機関及びIRB事務局での当該文書の保存は必要でしょうか?

(ア)治験実施計画書の別紙または分冊の変更(他の実施医療機関の追加)  

(イ)治験実施計画書の別紙または分冊の変更(当該実施医療機関以外の実施医療機関に特有の情報の変更=他の実施医療機関の名称・所在地・治験責任医師の氏名・職名・モニターの情報の変更)

当方の見解は下記の通りですが、いかがでしょうか。
 
(ア)別紙・分冊の場合ともに実施医療機関・IRB事務局での保存が必要  

(イ)別紙の場合は実施医療機関・IRB事務局の保存が必要。分冊の場合は実施医療機関・IRB事務局ともに保存は不要

 
過去の治験119の見解も踏まえた上で、社内でも意見が割れており、(ア)、(イ)ともにIRB事務局で保存は不要との声も挙がっております。

なお、「別紙」「分冊」の区別については以下のように認識していますが、誤りがございましたら併せてご指摘頂けますと幸いです。

「別紙」「分冊」の区別

別紙:全ての実施医療機関の情報を集約した文書で、どの実施医療機関にも提供するもの

分冊:実施医療機関に特有の情報として、個々の実施医療機関用に作成したもの



「製薬協の見解」

治験実施計画書の分冊につきましては、GCP第7条運用通知第1項2において「一の治験実施計画書に基づき複数の実施医療機関に対して治験の依頼をしようとする場合において、実施医療機関の名称及び所在地、治験責任医師となるべき者の氏名及び職名並びに各実施医療機関を担当するモニターの氏名、職名及び電話番号等については、施設に特有の情報として、治験実施計画書の分冊として差支えなく、当該各実施医療機関の長に対しては、当該分冊のうち、当該実施医療機関に係るもののみを提出することとして差支えない。」と記載されています。

したがいまして、実施医療機関に特有の分冊を作成している場合、治験依頼者は実施医療機関の長に対し、当該実施医療機関に係わる分冊(改訂を含む)を提出すればよく、他の実施医療機関に関する分冊を提出する必要はありません*1)。

なお、実施医療機関の長はIRBに、第32条第1項及びGCP第31 条第2項運用通知3の注釈1*2)に基づき、当該実施医療機関に係わる分冊及びその改訂を提出する必要があります。

一方、GCPにはご質問のような「治験実施計画書の別紙」というものはありませんが、上記GCPの規定を当てはめて取り扱えばよいと考えます。

すなわち、治験依頼者は実施医療機関の長に、また実施医療機関の長はIRBに、治験実施計画書の別紙及び当該医療機関に係わる当該文書の改訂を提出する必要があるものと思われます。

上記GCPの規定に基づき実施医療機関の長及びIRBへ提出された文書は、GCPで定められた期間保存しておく必要があります。

*1)「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」の運用に関する通知の改正案に関する意見募集の結果について(H23.10.28 厚生労働省医薬食品局審査管理課)

*2)GCP第31 条第2項運用通知3 注1)

実施医療機関の長は、治験期間を通じて、治験審査委員会の審査の対象となる文書(第32条第1項参照)を最新のものにすること。治験依頼者から追加、更新又は改訂された当該文書が提出された場合には治験審査委員会及び治験責任医師に、治験責任医師から追加、更新又は改訂された当該文書が提出された場合には治験審査委員会及び治験依頼者に、それらの当該文書の全てを速やかに提出すること。



●「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」の運用に関する通知の改正案に関する意見募集の結果について(H23.10.28 厚生労働省医薬食品局審査管理課)
    ↓
http://www.jsqa.com/topics/doc/111028_GCP_public.pdf





●GCPの解説(ワンポイントアドバイス)
http://gcp-explain.seesaa.net/

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