2014年04月07日

治験における「代諾者」について教えてください。

質問番号:(4) 代諾者の範囲

治験における「代諾者」について教えてください。

1) GCPでは「この省令において「代諾者」とは、被験者の親権を行う者、配偶者、後見人その他これに準じる者をいう。」とされています。
ここにあげている「その他これに準じる者」とは、どのような立場の人を指しているのですか?

2) 傷病により意識がないか、意識障害のある場合において、代諾者に親族は含まれますか?

3) 含まれている場合、配偶者や親などの高位のものが優先されるべきかと思いますが、厳密に高位の方の意思を確認する必要はありますか?

4) 医師の説明を聞いた親族で良いですか?

5) 内縁関係にあるものは、代諾者に含まれるのですか?

6) 精神障害者の保護者は、配偶者、親権者、扶養義務者もしくは市長村長となっているようですが、この保護者にあたるかたすべてが代諾者になることはできますか?


親権者、後見人、親族、姻族の解釈は以下の通りと思っています。

親権者:親権を行う者 父母の婚姻中は父母が共に親権者となるが、父母が離婚したときはその一方のみが親権者となる。

後見人:(法)禁治産者又は親権者を欠く未成年者のために財産管理や身上監護の任に当たるべき者。法定代理人でもある。

親 族:民法上、六親等内の血族、配偶者及び三親等内の姻族をいう。

姻 族:婚姻によりできた親戚。配偶者の血族。すなわち夫からみて妻の父母兄弟の類。





製薬協見解

1) GCP第2条ガイダンス11によれば、「被験者とともに、又は被験者に代わって同意をすることが正当なものと認められる者であり、被験者の親権を行う者、配偶者、後見人その他これらにに準じる者で、両者の生活の実質や精神的共同関係から見て、被験者の最善の利益を図りうる者」とみなすことができれば、すべて代諾者といえます。

なお、緊急時では、付き添いの友人ではどうかとの議論もあります。

しかし、この場合は、GCP第55条(緊急状況下における救命的治験)で対応すべきで、代諾者としない方が妥当と思われます。

2) 親族といえども、1)の条件を満たさなければ、代諾者となりえません。

3) 一般的には、被験者との関係が近い方の(高位の)立場にある代諾者の意思を優先すべきです。

しかし、そのことについては、GCPで規定されていませんので、あまり固守する必要はないと考えています。

この場合も、やはり、1)の条件を満たしているか否かを判断の基準にすべきと思われます。

なお、複数の代諾者(の資格者)がいて、相反する考えを示したような場合、(1)被験者との関係がより近い方の(高位の)代諾者の考えを採用する、(2)同意が得られなかったとみなす、(3)第三者の意見を参考に判断する、等の対応が考えられますので、あらかじめ、その妥当性について治験審査委員会の意見を聴いておくと、その時になって慌てることなく適格な対応がとれると思われます。

4) 説明を聞いた親族であれば誰でもよいというわけではありません。やはり、1)の条件を満たしているか否かを判断の基準にすべきと思われます。逆にいえば、1)の条件を満たしていることを確認したうえで説明することが肝要といえます。

5) 内縁関係であっても、1)の条件を満たしているのであれば、代諾者となりうると考えられます。

6) 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」において、「保護者がいない時等においては、その精神障害者の居住地を管轄する市町村長が保護者となる。」と規定(第21条)されていますが、市町村長については、1)の条件を満たしているとは考えにくいため、代諾者から除外して取り扱うべきと思われます。



■■■ 【関連するGCP条文】 ■■■

(定義)第2条のガイダンス

第21項の「代諾者」とは、治験への参加について、被験者に十分な同意の能力がない場合に、被験者とともに、又は被験者に代わって同意をすることが正当なものと認められる者であり、被験者の親権を行う者、配偶者、後見人その他これらに準じる者で、両者の生活の実質や精神的共同関係から見て、被験者の最善の利益を図りうる者であること。

posted by ホーライ at 01:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 同意関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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