治験参加の意思を撤回したいとの申し出を被験者から受けた時の対応に関しまして、
ご見解をお聞かせ下さい。
【経過・概略】
治験責任医師が治験参加への同意を取得し、治験薬を投与した。
その後、被験者から、担当CRCに対して同意撤回の申し出があり、担当CRCが、
同意撤回を受領した。その後、同意撤回に至った経緯を治験責任医師に報告した。
【質問事項】
GCP第50条では、「治験責任医師等は文書により同意を得なければならない」と
されています。この場合の「治験責任医師等」とは、第10条1項の「治験責任医師
及び治験分担医師」を指していると理解しています(施設内では「等」に
「CRCも含まれる」と考える者もいます)。
同意取得が「治験責任医師等」の役割であるのなら、同意撤回時にも同様に対応する
ことが必要なのではないかと考えます。
同意撤回に際し、その後の安全性調査や同意撤回により生じる利益・不利益(医学的側面を含め)
を説明する責務があると思うからです。
GCP第51条では、いつでも治験参加を取りやめることができる旨の記載はあるのですが、
その時に実施医療機関側に求められる手順について、明確に理解できずにおります。
GCPに則った、望ましい対応方法についてご教示ください。
<< 製薬協の見解 >>
GCP第51条第1項ガイダンス1(8)として「被験者又はその代諾者は、被験者の治験への
参加を随時拒否又は撤回することができること。
また、拒否・撤回によって被験者が不利な扱いを受けたり、治験に参加しない場合に受
けるべき利益を失うことはないこと。」と規定されています。
その点で、被験者が治験参加の同意を撤回された場合の実施医療機関側の対応としましては、
被験者の意思を尊重して速やかに当該被験者の治験を中止することが必要です。
更に、GCP第1条ガイダンス2(7)においては「被験者に対する医療及び被験者のために
なされる医療上の決定に関する責任は、医師又は歯科医師が常に負うこと。」とされており、
GCP第45条で治験責任医師等の被験者に対する安全性確認等の責務が規定されていることから、
治験責任医師等は速やかに当該被験者にコンタクトを取り、1)同意撤回理由を明らかにする
必要はないという被験者の権利を十分尊重した上でその理由を確認するための適切な努力を
するとともに、2)有害事象の有無を確認し、3)対象疾患及び有害事象に対するその後の治療
等について、被験者と相談する必要があると思われます。
なお、GCP第50条及びその他の条項にある「治験責任医師等」は、「治験責任医師及び
治験分担医師」を指しています(GCP第10条第1項第5号参照)。
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