2014年03月29日

実施医療機関様式と異なる内容での治験契約締結

質問番号:2013-53 実施医療機関様式と異なる内容での治験契約締結

現在、新規企業治験の受託に向けて調整中でございますが、その中で治験依頼者から病院への支払いがマイルストーン方式であることが分かりました。

いままで、当社が支援する○○病院はマイルストーン方式での支払い方式の治験を受けてきませんでしたが、グローバル治験の考え方に準じてマイルストーン方式の支払いを受け入れることで話をすすめてまいりましたが、SOPの不遵守に該当しないのかの問題が浮上してきました。

費用の支払いという、内容的には軽微なことなのですが、SOPを完全に守り治験を行うことがGCPを遵守するという考えで治験を行ってきた病院であるため、今回の事がSOP不遵守に該当しないのかの明確な答えが出ない限り治験受託が難しい状況です。

ここからいただいた意見が病院に安心していただける説明材料となるのではと思い、相談させていただきました。

○○病院のSOPには、当院の契約書式により契約締結するよう記載がございます。

当院の契約書式には、「ただし、(1)は症例が確定した時点で、(2)(3)は契約締結後、(4)(5)(6)(7)はその都度病院会計に納付する。」という記載があります。

この文言のままではマイルストーン方式での契約が出来ない為、この文言を変える必要があります。

契約書の文面を変えることは、SOP記載の(当院)契約書式とは異なってくるために、形通りに当てはめるのであればSOP不遵守ということになりますでしょうか?

覚書をもって異なるこの部分のみ契約を締結することも考えたのですが、そもそも文言の変更自体がSOP不遵守に該当しないのであれば、覚書はなしで契約書の該当する文言のみ変更することで対応したいと思っています。

この件に限らず、SOP自体の記載内容に原則など、融通の利く文言を加えることで、今後自院のSOPに縛られることのない、柔軟な対応ができるようにしていきたいのですが、SOP改定は早急とはいかないもので、さしあたっての対応策を考えております。



<< 製薬協の見解 >>

SOPは業務を進める上での標準的な手順を定め、その遵守が求められるものですが、契約は両者の約定を文書化したものですので、協議により個々に条件が異なることが一般的です。

したがいまして、SOPで規定されている契約書の内容を一部変更して用いる必要がある場合や、SOP上の契約書とは異なる内容の契約書を用いる必要がある場合には、変更の理由および内容が適切であるとSOPの承認者や契約の責任者(病院長、院内の契約事務責任者、理事会やIRBのような会議体など病院によって異なります)が判断した記録を作成し、保存しておくことで問題ないと考えます。

なお、今後の対応として、同様の事例が発生することも考慮し、SOPと異なる手順や書式を採用する場合の手順をSOPの中で規定しておくことも一つの方法であると考えます。


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2014年03月23日

治験審査委員会委員の欠員の対応

質問番号:2013-51 治験審査委員会委員の欠員

治験審査委員会の構成と標準業務手順書改訂の必要性に関しご教示下さい。

当院の標準業務手順書では、治験審査委員会の委員として病院長が薬剤部長を委員として指名しています。

しかし、この度、薬剤部長の突然の退職に伴い欠員状態となりました。

また、欠員期間は現在のところ未定です。

この場合、標準業務手順書の改訂をせず薬剤部長不在欠員のまま指名した状態でおくことは,GCP違反となりますでしょうか?

また、治験審査委員会審査委員名簿におきましても、欠員として記載することで問題ありませんでしょうか?




<< 製薬協の見解 >>

GCPでは職制によるIRB委員の規定はありませんので、GCP第28条第1項に規定されている要件が満たされているのであれば、当該薬剤部長が欠席(欠員)でも治験審査委員会での個々の審議及び採決は可能と考えます。

一方、治験審査委員会の手順書には薬剤部長を規定されているとのことですので、薬剤部長以外の方を当該委員の後任委員として指名できない状況かと推察いたします。

欠員状況が継続されることは好ましくないため、速やかに後任の薬剤部長を決定する、又は治験審査委員会の手順を改訂し、薬剤部長以外の方を委員として指名できる体制を構築されることをお勧めします。


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2014年03月16日

治験依頼者からの通知による治験中止手続き

質問番号:2013-50 治験依頼者からの通知による治験中止手続き

治験中止となった場合の扱いですが、どのようにSOPで定めるべきか検討いたしかねております。

以下の3つのケースにおいて、(1)、(3)の場合には良いのですが、(2)の場合書式17を作らなくて良いのかという疑問が残ってしまう状況です。

現在の統一書式、GCPから(2)のケースで書式17を作らなくても良いという解釈でしょうか?

たとえ治験依頼者の都合で中止となった場合でも、治験責任医師は、GCP遵守状況、安全性等をIRBへ報告する責務があるように感じてなりません。

(2)の記載を、「・・・・治験責任医師は、病院長へ治験終了の報告(書式17)および被験者にその旨通知し、適切な医療を提供する」としたほうが良いように感じております。

どうぞご指導のほど宜しくお願いいたします。


≪(1)治験が終了する≫

治験責任医師は、病院長へ治験終了の報告(書式17)

病院長は、IRB・治験依頼者へ通知(書式17)

※必要に応じて、被験者へ結果報告



≪(2)治験が治験依頼者の判断により中止になる≫

治験依頼者は、病院長へ治験中止を通知(書式18)

病院長は、IRB・治験責任医師へ通知(書式18)

治験責任医師は、被験者にその旨通知し、適切な医療を提供する



≪(3)治験が治験責任医師の判断により中止になる≫

治験責任医師は、病院長へ治験中止の報告(書式17)

病院長は、IRB・治験依頼者へ通知(書式17)

治験責任医師は、被験者にその旨通知し、適切な医療を提供する




<< 製薬協の見解 >>

治験依頼者の判断で治験を中止又は中断する場合、治験依頼者はその旨及びその理由の詳細を治験に関与する全ての実施医療機関の長及び規制当局に速やかに文書で通知する必要があります(GCP第24条第2項)。

さらに、その通知を受けた実施医療機関の長は治験責任医師及び治験審査委員会へ通知することと規定されています(GCP第40条第2項)。

この通知を受けた治験責任医師が中止又は中断までの治験の概要等を実施医療機関の長に報告することは、GCPでは規定されておりません。

したがいまして、治験依頼者からの治験の中止又は中断に係る通知に対し、実施医療機関の長又は治験審査委員会が報告を要求する場合のGCP上の規定はなく、必要に応じ実施医療機関又は治験審査委員会の要請に従い個々に対応されるものと考えます。


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posted by ホーライ at 03:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の中止 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

被験者の負担軽減費

質問番号:(5) 被験者の負担軽減費

負担軽減費について教えてください。

現行、当院ではSOPで負担軽減費を7,000円としております。

負担軽減費は一律定額にしておくべきものなのでしょうか?

プロトコールによっては患者に与える負担が交通費以外にも考えられる場合がありますが、SOP上で決めておけば金額設定をその都度し直してもいいものなのでしょうか?





<< 製薬協の見解 >>

負担軽減費につきましては、平成10年に提言された「治験を円滑に推進するための検討会」の最終報告書で「治験参加に伴う物心両面の種々の負担を勘案した、社会的常識の範囲内における費用の支払いによる被験者の負担の軽減」とされています。

また金額に関しましては、例えば、国立病院・療養所で実施される治験については政医第196号(平成11年7月2日)において、「当面、7,000円を標準とすること。」となっていること、「国立病院・療養所における受託研究」「Q&Aの5」(平成11年7月)で、Q1に対する回答の中では、「7,000円以外の額を設定する際には、会計検査等にも十分対応できるよう、具体的な根拠に基づき設定されるようお願いします。…」となっており、7,000円に限定されたものではないと考えます。

しかし、それが治験に参加する強い誘引にならないように、社会通念上から適切な負担軽減費を考慮する必要があります。

さらに、被験者の負担については治験の内容により異なる場合がありますので、治験依頼者との協議が必要です。

なお、GCP第10条第1項ガイダンス1(6)及び第32条第1項/第2項ガイダンス2(1)6にありますように、被験者への支払いについての資料は、治験審査委員会の審査対象となることを、付け加えさせて頂きます。


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posted by ホーライ at 03:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の費用の負担 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

代諾者の範囲

<< 質問 >>5p

質問番号:(4) 代諾者の範囲

治験における「代諾者」について教えてください。

1) GCPでは「この省令において「代諾者」とは、被験者の親権を行う者、配偶者、後見人その他これに準じる者をいう。」とされています。

ここにあげている「その他これに準じる者」とは、どのような立場の人を指しているのですか?

2) 傷病により意識がないか、意識障害のある場合において、代諾者に親族は含まれますか?

3) 含まれている場合、配偶者や親などの高位のものが優先されるべきかと思いますが、厳密に高位の方の意思を確認する必要はありますか?

4) 医師の説明を聞いた親族で良いですか?

5) 内縁関係にあるものは、代諾者に含まれるのですか?

6) 精神障害者の保護者は、配偶者、親権者、扶養義務者もしくは市長村長となっているようですが、この保護者にあたるかたすべてが代諾者になることはできますか?


親権者、後見人、親族、姻族の解釈は以下の通りと思っています。

親権者:親権を行う者 父母の婚姻中は父母が共に親権者となるが、父母が離婚したときはその一方のみが親権者となる。

後見人:(法)禁治産者又は親権者を欠く未成年者のために財産管理や身上監護の任に当たるべき者。法定代理人でもある。

親 族:民法上、六親等内の血族、配偶者及び三親等内の姻族をいう。

姻 族:婚姻によりできた親戚。配偶者の血族。すなわち夫からみて妻の父母兄弟の類。





<< 製薬協の見解 >>

1) GCP第2条ガイダンス11によれば、「被験者とともに、又は被験者に代わって同意をすることが正当なものと認められる者であり、被験者の親権を行う者、配偶者、後見人その他これらにに準じる者で、両者の生活の実質や精神的共同関係から見て、被験者の最善の利益を図りうる者」とみなすことができれば、すべて代諾者といえます。

なお、緊急時では、付き添いの友人ではどうかとの議論もあります。

しかし、この場合は、GCP第55条(緊急状況下における救命的治験)で対応すべきで、代諾者としない方が妥当と思われます。

2) 親族といえども、1)の条件を満たさなければ、代諾者となりえません。

3) 一般的には、被験者との関係が近い方の(高位の)立場にある代諾者の意思を優先すべきです。

しかし、そのことについては、GCPで規定されていませんので、あまり固守する必要はないと考えています。

この場合も、やはり、1)の条件を満たしているか否かを判断の基準にすべきと思われます。



なお、複数の代諾者(の資格者)がいて、相反する考えを示したような場合、(1)被験者との関係がより近い方の(高位の)代諾者の考えを採用する、(2)同意が得られなかったとみなす、(3)第三者の意見を参考に判断する、等の対応が考えられますので、あらかじめ、その妥当性について治験審査委員会の意見を聴いておくと、その時になって慌てることなく適格な対応がとれると思われます。

4) 説明を聞いた親族であれば誰でもよいというわけではありません。

やはり、1)の条件を満たしているか否かを判断の基準にすべきと思われます。

逆にいえば、1)の条件を満たしていることを確認したうえで説明することが肝要といえます。

5) 内縁関係であっても、1)の条件を満たしているのであれば、代諾者となりうると考えられます。

6) 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」において、「保護者がいない時等においては、その精神障害者の居住地を管轄する市町村長が保護者となる。」と規定(第21条)されていますが、市町村長については、1)の条件を満たしているとは考えにくいため、代諾者から除外して取り扱うべきと思われます。



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