2014年11月29日

治験審査委員会の審査の委託と院内治験審査委員会

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質問番号:2014-29 治験審査委員会の審査の委託と院内治験審査委員会

SMOとして実施医療機関の事務局業務を実施しています。

担当施設においては、院内IRBを設置していますが、セントラル化の推奨を説明し、外部治験審査委員会への委託について条件付きで了承いただきました。

条件は、以下の通りです。



・院長が自らの意思で外部治験審査委員会への委託が決められないとのことで、外部治験審査委員会への委託にあたって、対象疾患、治験デザイン、副作用、委託先治験審査委員会情報などを院内IRBにて委員の意見を聞き、院長が承認した場合に委託を行う。


・外部治験審査委員会へ委託した治験において、安全性情報など被験者の意思に影響のある情報や、院内の被験者において重篤な副作用が発生した場合は、院内IRBへ報告し、院長が各委員の意見を聞く。



外部治験審査委員会へ委託した治験において、院内IRBで審議ではないものの、院長および各委員に情報を伝え、院長が各委員の意見を聞くことはGCP上問題ないのでしょうか?

資料についても外部治験審査委員会への審査と同様の資料の準備を求められています。

外部治験審査委員会も招集することを希望されています。

外部治験審査委員会へ委託した治験の審査は、院内IRBでの審査は不要と説明しているのですが、院内で実施されている治験の情報は周知しておくべきとのことで、ご理解いただけません。





<< 製薬協の見解 >>

実施医療機関の長は、適切な治験審査委員会を選択するために必要な手順を定めることが求められています(GCP第27条第1項ガイダンス2)。

実施医療機関の長が審査を委託する治験審査委員会を選択できないのであれば、自身が設置する治験審査委員会に意見を聞くことも一方法であるとは思われます。

実施医療機関の長は2つ以上の治験審査委員会の意見を聞くことはできます(GCP第30条第1項ガイダンス2)。



しかし、外部治験審査委員会への審査委託を検討するために、審査会議を開催し、治験実施計画書をレビューする等、通常の審査を院内治験審査委員会でも行うのであれば、手続きが煩雑化し時間も要しますので、治験審査委員会の選択手順に効率的な運用が望まれます。



また、審査を委託した治験審査委員会は、倫理的、科学的及び医学的・薬学的観点から適切な審議及び評価を行うことができる委員会であるはず(GCP第27条第1項ガイダンス2)ですので、治験中に安全性情報等を院内治験審査委員会で審査するのであれば、外部に審査委託した利点が活かせないかと思われます。


2つ以上の治験審査委員会に意見を聞くためには、治験依頼者及び実施医療機関に多大な業務量が生じますので、1つの治験審査委員会に審査を全面的に依頼する方向で、治験審査委員会の選択方法と審査委託の意義を検討されることをお勧めします。


★その他の「治験119番」はこちら。
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2014年09月02日

再同意取得が必要な期間(その1)

問番号:2007-23 再同意取得が必要な期間(その1)


このたび弊社にて、再同意取得時において不明瞭な点があり、ご見解を戴きたくメールさせていただいております。

@ 口頭同意のみで終了した場合は、文書同意は必要であるか

A 口頭同意のみ取得し、次回最終来院時には、文書同意は必要であるか

B 後観察期において文書同意は必要であるか



●●● 製薬協見解 ●●●

ご質問のケースがGCP第54条(被験者の意思に影響を与える情報が得られた場合)にあたると想定して、以下に見解を述べさせていただきます。

治験責任医師等は、治験に継続して参加するかどうかについて被験者の意思に影響を与えるものと認める情報を入手した場合には、直ちに当該情報を被験者に提供し、これを文書により記録するとともに、被験者が治験に継続して参加するかどうかを確認しなければなりません(GCP第54条第1項)。

この場合、被験者の署名などについては、GCP上求められていませんが、情報の重要性に応じて署名を得ることも考慮する必要があると思われます。

さらに、治験責任医師が説明文書を改訂する必要があると認めたときは、速やかに説明文書を改訂し、治験の参加の継続について改めて被験者の同意を得なければなりません(GCP第54条第2項及び第3項)。

GCPにおいて「口頭同意」及び「文書同意」という用語・定義はありませんが、ご質問にあります「口頭同意」はGCP第54条第1項に規定されている手順、「文書同意」はGCP第54条第2項及び第3項に規定されている手順を指すものと推察します。


@A:当該情報を入手した時点で被験者にこれを提供し、治験に継続して参加するかどうかを口頭(情報の重要性によっては文書)で確認しており、かつ説明文書の改訂版が治験審査委員会及び実施医療機関の長の承認が得られた時にすでに治験が終了している又は最終観察を迎えているのであれば、改訂された説明文書により改めて再同意を取得する必要はありません。

B:後観察期で行われる検査・観察が治験により異なるため一概には言えませんが、一般的に、治験実施計画書で規定された後観察が残っており、被験者は治験を継続するわけですから、改訂された説明文書による再同意取得も必要と思われます。


以上


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2014年08月15日

治験終了報告書の提出時期

質問番号:2007-22 治験終了報告書の提出時期

被験者の治験薬投与、観察が終了していた場合、CRF回収、治験薬回収していない状況であっても、終了報告は提出してもかまわないのでしょうか。





●●● 製薬協見解 ●●●

「被験者の治験薬投与、観察が終了している」とのことですので、まずは、治験責任医師及び治験依頼者と協力して、症例報告書の提出及び未使用治験薬の返却を速やかに終了することをお勧めします。

治験責任医師は、GCP第49条第3項に従い、治験を終了したときは「治験の終了報告書」を治験実施医療機関の長に提出し、報告しなければなりません。

この報告書には、治験結果の概要を記載する必要があります。

GCPでは、報告すべき概要として具体的な内容についてまでは規定されていませんが、当該医療機関の終了報告書に規定された必要事項を記載できるようであれば、症例報告書の提出前に、治験責任医師から終了報告書を提出していただいても問題ないものと考えられます。


以上

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2014年08月14日

医療機関が作成した同意文書の使用

質問番号:2007-21 医療機関が作成した同意文書の使用

同意書は治験依頼者に事前準備いただくのが通例とは思いますが、使用頻度が思いのほか早く、施設への追加搬入が間に合わない場合、施設にて準備した同意書に署名頂き、その同意書をコピーし控えとする事も可能なのでしょうか?

本来ならすべきではないとは思いますがご見解をいただけます様宜しくお願い致します。

(注釈)

「治験依頼者が準備する同意書」:

一般的に同意書が2〜3枚複写、説明文書と一体となった冊子タイプの同意・説明文書を依頼者より準備して頂いています。


「施設にて準備した同意・説明文書」:

文書を施設にて印刷し、同意書について1枚に患者様より署名を頂き必要枚数コピーし控えとする。

様式・記載内容については治験依頼者、施設の印刷も変わりありません。





●●● 製薬協見解 ●●●

GCP第51条第1項には、被験者を治験に参加させるために説明を行うときは「治験責任医師等は(中略)説明文書を交付しなければならない」とあり、また同条第1項ガイダンス 6及びGCP第2条ガイダンス15(1)Aには「説明文書と同意文書は一体化した文書又は一式の文書とすることが望ましい」とあります。

さらに、GCP第2条ガイダンス15(1)B には「同意文書は(中略)あらかじめ、様式を定めている場合には、説明文書と一体化した文書又は一式の文書として取り扱うこと。

例えば、第10条に基づき実施医療機関の長に対し説明文書を提出する場合及び第32条に基づき治験審査委員会に対し説明文書を提出する場合には、説明文書と同意文書をあわせて提出すること」と記載されています。

以上のことから、実際に用いる同意文書は、被験者に確実に説明文書も手渡されるよう、説明文書と一体化したものがより適切で、それらは治験審査委員会で承認されたものでなければなりません。

したがいまして、治験審査委員会で承認を受けた(説明文書と一体化した複写式の)同意文書を施設にて準備頂くことが望ましいとは思われますが、その作成が時間的に困難なために、ご質問のような同意文書を例外的に用いることはやむを得ないと思われます。

ただし、説明文書と切り離した状態で保存される同意文書の場合には、被験者が受け取った説明文書を同意文書の中で特定(例:説明文書の作成日や版数を明記)できるよう留意する必要があると考えます。



以上


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2014年08月13日

治験薬投与終了後に行われる後治療の効果に関する調査

質問番号:2007-20 治験薬投与終了後に行われる後治療の効果に関する調査


@ 治験薬投与終了後、追跡期の評価までに使われた後治療の薬剤について、薬剤名、使用量、使用期間、効果等を調査する治験を行うことは問題ないでしょうか。

A 治験調整医師が症例検討会などに出席して、実施医療機関から回収された症例報告書を見ても差し支えないでしょうか。



●●● 製薬協見解 ●●●

@ご存知のように、GCPは、治験に関する遵守状況を定め、被験者の人権、安全及び福祉の保護のもとに、治験の科学的な質と成績の信頼性を確保することを目的とした基準であり、ご質問のような治験デザインとしての有効性データ収集の範囲について規定されているものではありません。

したがいまして、投与終了後の使用薬剤に関する調査目的と調査項目が明記された治験実施計画書が治験審査委員会で承認され、それに従って治験が実施されるのであればGCP不遵守にはなりません。


A治験調整医師とは、多施設共同治験の際に、「当該実施医療機関における当該治験実施計画書の解釈その他の治験の細目について調整する業務」を治験依頼者から委嘱される医師もしくは歯科医師と規定されています(GCP第2条第16項)。

「調整業務」としては、GCP第18条ガイダンス2において「例えば、治験実施計画書の内容の細目についての多施設間の調整や治験中に生じた治験実施計画書の解釈上の疑義の調整等、多施設共同治験における治験実施医療機関の調整に係る業務である」と例示されており、治験調整医師として選定できる範囲としては「治験責任医師の中から選定されることが考えられるが、必ずしも治験責任医師に限らない」(GCP第2条ガイダンス6、「治験協力者等も治験調整委員会を構成する委員となることは可能である」(GCP第2条ガイダンス7)となっています。


以上のように、治験調整医師は医療機関側の立場であって、症例検討や採否決定という治験依頼者が実施すべき業務を行う立場ではありません。

今回のお問い合わせの中では、治験調整医師が症例検討会に出席され、治験実施医療機関から収集された症例報告書を見る目的が明確でありませんので、その目的を明らかにされてはいかがでしょうか。



以上

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2014年08月02日

治験薬管理者不在時の治験薬の払出し

質問番号:2014-09 治験薬管理者不在時の治験薬の払出し

医師2名のクリニックで実施中の試験において、治験薬管理者である
治験責任医師が体調不良のため、被験者の来院当日にお休みされた場合、
治験薬管理補助者ではない治験分担医師が、治験責任医師の電話等による
指導の下に治験薬の払い出しを行うことは可能でしょうか?



<<製薬協の見解>>

本来ならば、予め本業務を割り当てられた治験薬管理者が対応可能な日に
治験薬の払い出しを行うべきと考えますが、被験者の負担、安全性確保を考慮し、
治験薬管理者が緊急回避措置として必要であると判断された場合には、
治験分担医師が治験薬を払い出しすることはやむを得ない対応かと思われます。

ただし、「治験薬の管理のための手順書」に従い治験薬を取り扱うとともに、
本経緯については、後日、早い段階で治験薬管理者が経緯を記録し、
保存しておく必要があると考えます。

なお、今後、同様の事態の発生を避けるためにも、当該治験分担医師を
バックアップの治験薬管理者として指名していただくことをご検討下さい。



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2014年07月29日

代諾者がいる場合の再同意の取得相手

質問番号:2007-19 代諾者がいる場合の再同意の取得相手

治験の進行中安全性情報の追加などで同意書が改訂され、再文書同意が必要となる場合がありますが、もともと本人以外(代諾者)の同意も取得している場合、再同意についても初回同意と同一の代諾者に追加情報の説明と文書同意を取得しなければならないのでしょうか?




●●● 製薬協見解 ●●●

代諾者とは、被験者本人に十分な同意の能力がない場合に、被験者に代わって同意をすることが正当なものと認められる者であり、生活の実質や精神的共同関係から見て、被験者の最善の利益を図りうる者でなければなりません(GCP第2条ガイダンス11)。

また、治験中に説明文書が改訂された場合には、治験への継続参加について代諾者から同意を得なければなりません(GCP第54条第2項及び第3項ガイダンス1)。


したがいまして、被験者本人のみで同意が成立する場合は、代諾者は不要です。

ご質問のケースがGCP第2条第21項に照らして、代諾者に該当するか否かをご確認下さい。

なお、小児の治験のように代諾者の同意が必須であり、被験者本人の同意(アセント)も取得するようなケースもございます。

ご質問のケースがこのような場合であるとの前提で回答させていただきます。

GCPには、代諾者からの再同意取得は初回同意の代諾者と同一でなければならないとの規定はありません。

しかしながら、初回の説明を受けていない方が追加の安全性情報のみの説明を受けた場合、それは断片的な情報であり、当該治験の安全性を真に理解したとは言えないのではないかと思われます。

したがいまして、当該治験に関する情報を十分理解のうえ治験に継続して参加することに同意して頂くという観点からは、再同意は初回と同一の代諾者から取得していただくことが望ましいものと考えます。


以上
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2014年07月27日

同意文書の署名日の記載者

質問番号:2007-18 同意文書の署名日の記載者

監査にて、同意説明文書の日付の筆跡を指摘されました。

責任(分担)医師、CRCの連名署名に、一つの日付記入欄があり、そこの日付をCRCが記入していました。

やはり、署名の日付の筆跡は責任(分担)医師でなければ違反となるのでしょうか。

また、カルテシールを院内のSMO CRCが記入し、医師が確認印を押している事に関しては、指摘がありませんでした。




●●● 製薬協見解 ●●●

GCP第52条第1項に「第50条第1項又は第2項に規定する同意は(中略)、説明を行った治験責任医師等及び被験者となるべき者が日付を記載して、これに記名押印し、又は署名しなければ、効力を生じない」と規定されています。


また、第52条第1項ガイダンス1には、「治験協力者が補足的な説明を行った場合には、当該治験協力者も記名押印又は署名し、日付を記入すること」と規定されています。


したがいまして、被験者となるべき者、治験責任医師等及び補足的な説明を行った治験協力者の各々が同意文書に記名なつ印又は署名のうえ、日付を記入しなければなりません。


ご質問のケースでの問題は、CRCが日付を記入したことではなく、治験責任(分担)医師が日付を記入していないことです。

説明を行った各人が必ず日付を記入することが必要になりますので、今後、これが確実に行われるよう、同意文書中の各々の署名欄に日付記入欄を設けることをお勧めします。



以上
posted by ホーライ at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 同意関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

治験薬の温度保管方法(その2)

質問番号:2014-06 治験薬の温度保管方法(その2)

現在、当院で治験薬を保管している冷蔵庫はバリデーションが取られていないため、
校正済み温度ロガーを冷蔵庫内に配置し、治験薬の温度管理を行っております。

今後、バリデートされた冷蔵庫を購入し、毎年校正を行い、管理することを
予定しております。

このような条件であれば、冷蔵庫に内蔵された温度計により記録されたデータ
(記録紙もしくは電子を予定)を保管管理し、別途温度ロガーの記録を残さ
なくても、精度管理の記録として問題ないでしょうか。

バリデーションの内容については以下を予定しています。

- 基本動作(1. 温度設定が指示どおり実施可能、2. 高温警報・ドア警報、3. 温度表示)

- 庫内温度性能



<<製薬協の見解>>

冷蔵庫に内蔵された温度計が、定期的な校正により庫内温度を正しく示し、
かつ記録することができることが保証(バリデート)されているのであれば、
別途温度ロガーで記録を残す必要はないと考えます。

ただし、内臓温度計への電力が、冷蔵庫と同じ電力源より供給されている場合には、
停電や災害時においても温度が測定、記録され続けるよう、不測の事態に備える
必要があります。

なお、治験依頼者により、温度記録データの閲覧や提出を求められる場合が
ありますので、記録データを保存する必要があります。

また、治験実施計画書の内容や治験薬の特性により、個別の対応(測定頻度、
記録の出力様式、個別温度計の設置など)が依頼される場合もあります。

その際は、それらの理由及び必要性について治験依頼者と協議していただければと思います。

過去の見解2013-41もご参照ください。



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posted by ホーライ at 06:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験薬関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月23日

契約期間終了後の症例報告書、治験薬回収

質問番号:2007-16 契約期間終了後の症例報告書、治験薬回収


契約締結日:昨年12月、契約期間終了日:2007年10月31日の治験があったのですが、

@CRF、治験薬の回収が契約期間内に終わらないのは問題ないか。

ACRFが固定しないため、同じく、終了報告を契約期間内に提出できない(有効性・安全性がFIXされないため)のは問題ないか。

B2007年11月のIRBで継続審議をかけたいという依頼が治験依頼者よりあったが、契約期間外に審議をかけるのは問題ないか。

を教えていただけますでしょうか。

期間延長をすればいいかと思いますが、依頼者の見解は、契約=被験者対応に関することという意識があるようです。

ちなみにその治験のプロトコールには、治験期間は治験実施計画書に規定された来院の最終日とするといった規定がございます。



●●● 製薬協見解 ●●●

GCP第13条第1項第7号において、治験の契約書に記載すべき事項は「治験の期間」と規定されています。

治験契約書に記載されている治験期間の解釈について、実施医療機関と治験依頼者間で共通認識しておくことが大切です。

通常、治験期間は、治験実施計画書で規定されています投与及び観察が終了する期間と解釈され、治験契約書に記載される治験期間と同じものと考えられます。

この場合、CRFの回収や未使用治験薬の回収についても治験期間内に終えることが望ましいのですが、最終被験者の参加時期によっては、これらの回収は、契約書に記載されている治験期間を超えるケースもあり得るかと思われます。

また、治験責任医師が作成する終了報告書及び実施医療機関の長からの終了通知書も上記のようなケースに対しては、治験期間以降に対応せざるを得ないと考えられます。

また、治験期間終了後の継続手続きですが、治験依頼者としては治験責任医師らの終了報告がなされないために、収集した副作用情報に対する継続審査を依頼しようとしているのではないかと推測します。

この場合も、治験期間終了後に審査されることには問題はありませんが、治験薬投与及び観察が既に終了しているのであれば、治験審査委員会で安全性情報を審査する必要はないと思われます。

ただし、治験責任医師から終了報告書を治験終了後速やかに提出してもらうことが重要と思われます。


以上

posted by ホーライ at 02:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の終了 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする